八ヶ岳南麓でも災害リスクはある。ハザードマップは確認しよう

地図を見る少年

八ヶ岳南麓に暮らすならハザードエリアも意識しよう

今回は八ヶ岳南麓周辺のハザードエリアについてお話します。というのは山間の別荘地や住宅地はハザードエリアに指定されている場所も多いためです。

最近は観測史上初となる異常気象も増え、災害の規模も大きくなる傾向があります。山間の生活を望む人でも気になる人もいるのではないでしょうか?

たまさん

八ヶ岳南麓にテレワーク移住している、たまさんです。八ヶ岳南麓でのワーケーションや移住/二拠点生活に関する情報を発信しています。

気になる人は事前にハザードマップで確認しておきましょう。八ヶ岳南麓エリアでもハザードエリア外の物件は別荘地や集落も、もちろんあります。(僕自身はハザードマップを確認してエリア外の物件を購入しました)

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八ヶ岳南麓の主なハザードリスクは土石流

この地域の主なハザードリスクは土石流です。自治体の提供するハザードマップはがけ崩れ、土石流、地すべり、洪水などのリスクを記しています。八ヶ岳南麓は標高が高く、河川も少ないので洪水リスクは低いのですが、急峻な山谷が多いため土石流リスクを記しているものが多いです。

土石流警戒区域はイエローゾーンとも言われ、災害発生の可能性があるエリアを指すためかなり広域に指定されています。自治体やNHKのハザードマップサイトを見ると分かりますが八ヶ岳南麓では結構広いエリアが対象になっています。

一方でレッドゾーンと呼ばれる土石流特別警戒区域は谷沿いの一部のエリアに限定されていることが分かるでしょう。

実際に2022年8月、大雨により八ヶ岳南麓で土砂災害が発生しました。JR小海線が1日不通、県道が1ヶ月程度不通となりました。詳しくはこちらの記事を参照してください。

大雨

(参考)八ヶ岳南麓の主なハザードエリア

  • (がけ崩れ)立会川沿い(長野県富士見町立沢周辺)
    • 立会川沿いに急傾斜地があり、がけ崩れ特別警戒区域・警戒区域に指定されています。
  • (土石流)編笠山・権現岳山麓(長野県原村・富士見町、山梨県北杜市大泉町)
    • 山岳崩壊があった場合広く影響を受けることから中央高速道以北、小海線沿いで広域に警戒区域が指定されています。また沢沿いに特別警戒区域が指定されています。沢は普段は小川だったり涸れ沢の場合もあります。予めハザードマップを確認しておきましょう。
  • (土石流)赤岳山麓(山梨県北杜市高根町)
    • 山岳崩壊があった場合広く影響を受けることから清里・美し森の沢沿いを中心に警戒区域・特別警戒区域が指定されています。

ハザードエリアでも住んでいる人はたくさんいる

念の為お伝えしたいのはハザードエリアだからといって住めないわけではない、という点です。現実に首都圏でも洪水リスクのあるハザードエリアに何十万人も暮らしています。またハザードエリアは新しい災害経験の都度見直しがあるため、これまでは対象地域でなかったところが新たに対象となることもあります。

別荘地

美しい森林の中の生活。しかし災害への備えも必要だ(写真はイメージであり特定のエリアを指すものではありません)

ですので過剰にハザードエリアを恐れるのではなく、重要なのは生活エリアのリスクを正しく理解することです。

また過去の災害を知っておくことも重要でしょう。下に近年の災害例を記しておきます。また、土石流など大規模な被害を伴わなくとも台風や大雪の際には倒木やその影響で停電が発生することがあります。

(参考)八ヶ岳南麓エリアの近年の災害

  • 2018年10月:台風24号豪雨によるキッカケ沢土石流(長野県富士見町)
    • 総雨量148mmにもなる豪雨により編笠山山麓の普段は涸れ沢であるキッカケ沢で土石流が発生。富士見高原ゴルフ場などが被害を受けた。人的被害の記録はない。
  • 2014年2月:大雪による山梨県全域の孤立(平成26年豪雪)
    • 南岸低気圧により山梨県全域で豪雪。甲府市でも積雪1mを超える。高速道路、国道、鉄道が不通となり山梨県全体が孤立。物流が滞るなど生活に大きな影響が出た。
  • 1959年8月:台風7号豪雨
    • 普段は小川であった千ケ沢(長野県富士見町)で台風の大雨により山津波が発生。集落に大きな被害と人命被害があった。
    • 山梨県北杜市でも釜無川周辺や大泉町の沢沿いで山津波が発生。集落に大きな被害と人命被害があった。

(参考)ハザードエリア物件の売買について

ハザードエリア内の場合、物件売却の際に告知義務があります。つまり購入の際は事業者から説明を受けますし、売却の場合は告知する必要があります。

しかし、ハザードエリアであることが物件価格を大きく左右することはありません。これは都市部でも同様ですが物件価格は景観や利便性で決まるものが多いためです。

ハザードエリアで暮らすならば

ハザードエリア外の物件にこだわるか。リスクを理解してハザードエリアの物件を選ぶか。それはあなたの価値観次第です。

先にも記しましたがハザードエリアだから住めない、というわけではありません。例えば傾斜地だからこそ眺望が素晴らしい、という場所もあるでしょう。また谷沿いはハザード指定されやすいですが、敷地内に小川があれば普段は心地よい暮らしになることでしょう。

ただしハザードエリアの物件を選ぶ場合、そのリスクを認識しておくことが重要です。二拠点生活ならば災害級の豪雨が予想されるときに訪れない、とか。完全移住でも災害が予想される場合の避難先を確認しておく、など事前に準備を心がけましょう。

土石流リスクはある程度予測がたてられる

火山や地震と異なり土石流リスクはある程度予測が立てられます。災害級の大雨予報などが出たら速やかな避難を行うなどで災害に巻き込まれることを防ぐことができます。

ハザードエリアを過剰に恐れるのではなく事前に災害時の対応を備えておくことが重要だ。

地図を見る少年

最近は観測史上初の規模の大雨も増えてきました。予めリスクと避難先を確保しておくことで安心して生活ができることでしょう。

リスクを理解して安心できる八ヶ岳南麓暮らしを楽しもう

いかがでしたか?今回は一見するとネガティブな情報に感じたかもしれません。しかしこれは都市での生活でも同じことが言えると思います。タワーマンションが浸水したり、郊外の住宅地でも土石流や洪水が起きるなど都市部でも災害は発生しています。

過剰に恐れるのではなく、正しくリスクを理解して、八ヶ岳南麓暮らしを楽しんでください。

その他の八ヶ岳南麓 移住/二拠点生活の情報はこちらの記事も参照してみてください。

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(参考)八ヶ岳南麓各自治体のハザードマップ情報