テレワークでマネジメントに求められるコーチングスキルとは?

テレワークの普及の中で管理職に注目されるコーチングとは

こんにちは。八ヶ岳にテレワーク移住して働いている、たまさんです。このブログではワーケーションやテレワークについて書いていこうと思っています。

今回はコーチングについて書いてみます。テレワークが普及する中でマネジメントに求められるスキルとして注目されてきています。ではなぜコーチングが求められるようになっているのでしょう?そしてコーチングとはどのようなものなのでしょう?

コーチングとは?

コーチングは相手の自主性を促し、能動的に最大の行動を取るべく導くものです。相手と対話や質問を通じて本当に相手が望むものを引き出し、自発的な行動を促すものです。よく対比されるのがティーチング。つまり教える、というものです。

よく例えとして使われるのは「魚を与えるのではなく、魚を釣れるようにする」です。答えを与えるのではなく答えを自ら考えられるようにする。進むべき方向を教えるのではなく、自らに気付いてもらい、行動してもらう。

それがコーチングです。コーチングの適用範囲は広範です。ライフデザインやキャリア構築などでもよく用いられます。その中で最近注目されているのがマネジメントの中でコーチングを用いる、というものです。特にテレワークが進む中で、マネジメントでのコーチングの重要性が高まってきています。

コーチングを学ぶのに適した書籍

マネジメントで用いるコーチングについてはこちらの書籍が網羅性と実践性のバランスが良いので分かりやすいと思います。いずれもマネジメントに特化した内容となっている名著です。コロナ禍以前の著作ですのでテレワークに関する記述はありませんが普遍的な内容と言えます。

また、もっと簡単にコーチングとは?を知りたい、という方はこちらの漫画もいいかもしれませんね。

テレワークでコーチングが求められる理由

先に紹介した書籍にもあるように、コーチング自体はテレワーク時代以前からマネジメントに有効とされていました。ではなぜ、今、テレワーク時代のコーチングが重要視されているのでしょうか?

日報集計、情報伝達だけのマネジメントは不要になる

これまでのマネジメントは主に情報の交通整理と部下への直接的な指導が役割でした。例えばこのような業務が多いのではないでしょうか?

  • 部下の日報(週報)を集計して必要な情報を経営層へ報告する
  • 経営層の発言を部門メンバーへ共有する

テレワークが進みITツールが導入されるとこれらの業務は人や会議を必要しなくなります。例えばSalesforce.comやkintoneのようなツールを使えば現場の状況はリアルタイムで経営層も見ることができます。また、Slackなどのチャットを使って経営層が自ら全員へメッセージを伝える企業も増えてきています。

自ら考えることで自律性を高められる

テレワークでは皆が常に同じ空間で働いているわけではありません。つまり一挙手一投足を見て指導するわけにはいきません。いわゆるマイクロマネジメントは機能しないのです。一部のITツールを導入することで「なにか作業」をしているか?は分かります。しかし今のホワイトカラーの仕事はPC作業だけではありません。議論や深い思考を含めチームの貢献は作業時間だけでは本質は分かりません。

ではどうすれば良いのでしょうか?

ひとつの答えが自律性の高いチームを作ることです。チームの目指すもの(Why?)とチームが行うべきこと(What?)を全員が理解すること。そして具体的な進め方(How?)はできるだけ本人の自主性に委ねること。テレワークでは自律性の高いチームが効果的なのです。

目指すものや行うべきことが理解されていればメンバーは各々が最良の具体的な進め方を考えるものです。

自ら考えることで業務への満足度、コミットメントが高まる

自律性の高いチームの効果はそれだけではありません。自らが事業への貢献をどうしたらよいのか考えること。それにより組織への帰属意識や満足度も高まります。自身が関与できる範囲が大きくなるためです。また、自らが具体的な進め方(How?)を考えることで実行へのコミットメントも高まります。

コーチングは自律性の高いチーム作りに役立ちます。自身でどうしたら良いのかを考え、自身で進め方を決めていく。そのような組織文化作りにコーチングが有効なのです。

コーチングは万能ではない。注意すべきケースも

しかし、コーチングは育成方法のひとつであり万能なものではありません。使い方を間違えるとうまく機能しない場合があります。いくつかの育成手段の組み合わせでチームを育てていく必要があるのです。ではコーチングが機能しづらいケースにはどんなものがあるのでしょうか?

緊急度が高く明確な指示が必要な場合

例えば職場で火事が起きたとします。その場合「今どうしたらいいかな?」とかいちいち判断を求めませんよね。リーダーであるあなたの仕事は「すぐに逃げろ」と指示をすることです。

緊急度が高く、明確な指示が必要な場合はコーチングを用いる必要はありません。仕事の上でも例えばトラブルが発生した場合など、緊急度が高く、やるべきことがはっきりしている時は明確な指示のほうが有効です。

相手のモチベーションや心理的安全性が低い場合

コーチングを用いるには心理的安全性が確保されていることが前提です。自ら考えた意見を否定ばかりしていてはメンバーは発言しなくなってしまいます。もしくはマネージャに耳障りの良い言葉を選んで自分の考えではないことを発言するようになってしまいます。

心理的安全性が確保されていない場合メンバーは耳障りの良いことだけを伝え、本当の意思を伝えなくなります。そしてやがてモチベーションを失うのです。

このような、圧迫誘導が続くとメンバーは「どうせ何を言っても聞いてもらえない」という印象を持ち、耳障りの良い言葉を選びながらモチベーションを下げていきます。モチベーションが低い状態では能動的なアイディアが生まれにくく、コーチングが機能しない(もしくは形だけのコーチングとなる)ことがあります。

相手の経験値が低すぎて自分で考えることができない場合

もうひとつコーチングで注意すべき点があります。相手の経験値が低すぎる場合など、自身ではどうしたらいいのかアイディアが出せないためです。このような場合は直接的な指導が一般的です。

ですが時折コーチングも試みてみましょう。そこでどんな意見が出てくるか、そこで成長も測れるというものです。

コーチングで自ら学び成長する組織を目指そう

コーチングは自律性の高いチームを作るために効果的な手法です。しかしマネジメント実務の中では常にコーチング手法だけを用いれば良い、というものでもありません。時としてティーチング、メンタリングなどと組合せて活用するのが実態です。

会話の中で時としてコーチ、時としてメンターと役割を変えながらメンバーと接する必要があります。そのためにもコーチング能力を習得することはテレワーク時代のマネジメントでは重要なのです。是非あなたもコーチングを用いて自ら学び成長する組織を目指してみてください。

成功するテレワークに関する情報はこちらの記事も参照してみてください。

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