八ヶ岳南麓の冬至はお正月を迎える季節
八ヶ岳南麓の冬至は本格的な冬の始まりです。東京などと比べると十分寒いのですが、まだ寒さの本番はここから。1月に入ると更に気温が下がります。この季節はちょうどクリスマスから三賀日の頃にあたります。
八ヶ岳南麓の一年の移り変わり。二十四節気を紹介します
八ヶ岳南麓は1年を通じて景色が美しいエリアです。春夏秋冬いずれの季節も味わい深い景色があります。そう言えば季節の移り変わりを示す暦として二十四節気がありますよね。八ヶ岳南麓の二十四節気はどんな風景なのか?と思いコラムにしてみました。
二十四節気とは?
二十四節気とは1年を四季(春夏秋冬)に分け、それをさらに6つの節に分けたものです。有名なのは春分・秋分、夏至・冬至などがあります。
他にも立春・立夏・立秋・立冬もよく耳にしますよね。
「季節」という言葉がありますが、正にこの四季と二十四節気の「季」と「節」を組み合わせることでその移り変わりがわかるのです。
二十四節気における冬至とは「一年で一番昼が短くなる時」
冬至は一年で一番昼が短くなる時です。太陽のパワーが最も低くなる時です。なので栄養価が高いカボチャを食べたり柚子湯に浸かったりして無病息災を願う風習があります。
冬はカボチャ大好き!ほうとうにすると寒い冬も元気が出ます!
逆に言えば冬至を過ぎれば徐々に昼が長くなります。太陽が復活する、始まりの時とも言える時期です。これを一陽来復と言います。一般に冬至とは昼が一番短い1日を指しますが二十四節気ではその周囲の数日を含めて冬至と呼びます。
八ヶ岳南麓の冬至は縄文時代から大切な日だった?
八ヶ岳南麓には縄文遺跡がたくさんありますが、その中のひとつ、金生遺跡では冬至の日は甲斐駒ヶ岳に日没するような配置で石棒が配置されています。きっと古代から冬至という太陽の復活の始まりを祝っていたのでしょう。
山梨県北杜市にある金生遺跡。冬至に甲斐駒ヶ岳に日没する場所に作られた集落だ。(2022年9月撮影)
八ヶ岳周辺は縄文遺跡もたくさんあります。この記事も参考にしてください。
七十二候という更に細かい暦も
日本の暦は二十四節気を更に細かく分類した七十二候というものもあります。これは3〜4日単位で季節の変化を記すものです。冬至の期間は「乃東生(なつかれくさしょうず)」、「麋角解(さわしかつのおつる)」、「雪下麦出(ゆきくだりてむぎのびる)」の3つがあります。
乃東生(なつかれくさしょうず)はウツボグサの芽がでる頃
乃東生(なつかれくさしょうず)とは夏に枯れる草、ウツボグサの芽がでる頃、という意味です。12月22日〜25日頃を指します。ウツボグサは夏に枯れることから別名夏枯草とも呼ばれています。この頃ウツボグサ以外の草木のほとんどはこの季節枯れてしまう中で新たな芽が出る季節を指します。
ウツボグサは八ヶ岳周辺でも見かける花。夏には枯れてしまうので夏枯草とも呼ばれる。
ウツボグサは花の百名山でもある入笠山他八ヶ岳周辺でも初夏の花として楽しむことができます。見頃は7月頃です。
入笠山でウツボグサが生えていそうな場所を探してみましたが、既に雪が積もっていて見つけられませんでした(笑)
八ヶ岳南麓の乃東生(なつかれくさしょうず)はゲレンデオープンの季節
この季節の八ヶ岳南麓はゲレンデオープンの時期。多くのゲレンデが12月17日頃からオープンしています。早速初滑りに行ってきたのが12月22日です。
ちょうど冬至の始まりの季節が八ヶ岳南麓ではゲレンデオープンの頃、というわけです。
八ヶ岳周辺にもゲレンデはたくさん。12月17日頃からゲレンデオープンが一般的。こちらは22日の富士見パノラマリゾート
麋角解(さわしかつのおつる)はヘラジカの角が生え変わる頃
麋角解(さわしかつのおつる)はヘラジカの角が生え変わる頃、という意味です。12月26日〜30日頃を指します。ヘラジカは枝分かれした大きな角がこの頃に抜け落ち、春にはまた新しい角が生えてきます。
残念ながら八ヶ岳周辺にはヘラジカはいないのでこれを実感することはできません。その代わりニホンジカ(ホンシュウジカ)は大変多くいます。特に霧が出ると別荘地にも降りてきます。家の中から鹿の親子を見ることもあります。
僕が暮らしているエリアでも鹿はよく見かけます。車道にも飛び出してくるので気をつけてくださいね。
八ヶ岳南麓の麋角解(さわしかつのおつる)は年の瀬感が高まる
この季節の八ヶ岳南麓はお正月を迎える年の瀬。もともとクリスマスよりもお正月を重んじる地域でスーパーやホームセンターはお正月飾りやお節料理の具材が並びます。
この頃までには何回か雪も降ります。日の当たるところは雪は溶けますが日陰の道は凍結しているので車の運転には注意が必要です。
年の瀬の八ヶ岳。雪は標高が高いところだけで街中に雪はない。
雪下麦出(ゆきくだりてむぎのびる)は雪の下で麦が芽を出し始める頃
雪下麦出(ゆきくだりてむぎのびる)は積もった雪の下で麦が目を出し始める頃、という意味です。12月31日〜1月4日頃を指します。
八ヶ岳周辺でも原村など標高が高いエリアの水田は雪が積もっています。麦が植っていればそろそろ芽が出る季節なのでしょうか。ただしこの辺りでは水田、そば畑、ひまわり畑は見かけるのですが麦畑が見当たらず、「麦伸びる」を実感することは難しそうです。
八ヶ岳南麓の雪下麦出(ゆきくだりてむぎのびる)は厳かなお正月
八ヶ岳南麓のお正月は大きなイベントや初売りがあるわけではなく、家族と過ごすスタイル。移住者は家族と過ごしたり、地元に帰る別荘在住者も多く静かなお正月です。
山梨地元のひとにとっては東京などへ出て行っている子供や孫を迎えてのんびり過ごす季節でもあります。あまり人出が多いというよりは静かなお正月の季節です。
お正月は地元の多摩に戻っちゃったのでちょっと雪下麦出(ゆきくだりてむぎのびる)の写真はないんですが、静かにお正月を迎える季節です。
八ヶ岳南麓の美しい一年を楽しもう
八ヶ岳南麓では春夏秋冬、各々の季節で美しい自然を見ることができます。暦と照らし合わせてみることで季節の移り変わりを、より強く実感できるのではないでしょうか。
八ヶ岳南麓で楽しめるアクティビティについてはこちらも参照してみてください。
八ヶ岳南麓暮らしの美しさを伝えられたら嬉しいな。
暦どおりの気候ではないこともあると思いますが、その辺りも含めて発信していきます。