Contents
テレワーク時代に求められる新しいマネージャー(管理職)像
「管理」だけの管理職では成り立たない
こんにちは。八ヶ岳にテレワーク移住して働いている、たまさんです。このブログではワーケーションやテレワークについて書いていこうと思っています。
今回はテレワークによって変わるマネージャー(管理職)について書いてみます。というのはテレワークによってマネジメントに求められる役割、能力が大きく変わってきているからです。
こちらの書籍ではテレワーク時代のマネージャーに求められる変化について記しています。比較的平易に、具体的な場面での対応なども記しているので興味がある方は読んでみることをお勧めします。
(広告)
テレワークで不要となるマネージャー(管理職)のスタイル
「ほう・れん・そう」重要なのは「相談」だけ
報告・連絡・相談。これらは「ほうれんそう」とも呼ばれ働く上で重要なコミュニケーションです。しかしテレワークになりこれらも形を変えてきています。ITツールの進化によりマネージャーが介在する必要がなくなっているものもあります。その中でリアルな対話が価値を生むのは「相談」だけです。
対話(相談)によって価値を生み出すのがマネージャーの役割です。
テレワークによる変化。マイクロマネジメントの限界
テレワークにより同じ場所、同じ時間で働らく必要がなくなりました。逆に言うと「今」何をしているのか正確に知ることが難しくなっています。オフィスで働いていた時に見えていたものが見えなくなっているのです。
そこで陥りがちなのがマイクロマネジメントです。報告・連絡・相談。いわゆる「ほうれんそう」を細かく求めてしまうことです。離れて働いていることが不安なのでしょう。頻繁なほうれんそうを求めてしまうのです。
しかしオフィスにいた時に見えていたものとはなんでしょうか?例えば遅刻してきたり、離席が長かったり、遅くまで残業していたり。
「テレワークだとメンバーの働きが見えない」と言う。しかしオフィスで見えていたのは時間だけだったのでは?
しかしこれらは、時間の管理でしかありません。重要なのは成果です。そして成果を生み出すための育成です。
ITツールの普及による変化。「管理」だけの管理職は不要に
テレワーク導入と並行して様々なITツールが普及してきました。これによりマネージャーの役割も変わってきています。例えばこれまではこのような業務に時間を費やしていたと思います。
- メンバーの日報(週報)をまとめて経営層へ報告する
- 経営層など上位組織の意向をメンバーへ連絡する
いわゆる「ほうれんそう」の管理はマネージャーの主要業務でした。しかしこれらはITツールで代用できています。
これまで仕事だと思っていた作業はITツールの普及で不要になることも。しかしそれが仕事だと思い込んでいるマネージャーも多い。
例えばSalesforceやkintoneなどがあれば現場の日報(週報)はリアルタイムで経営層も把握することができます。また様々な軸で分析できるので中間管理職が時間をかけて報告を準備する必要性も下がっています。
上位層からの情報伝達もSlackなどのチャットを用いて直接現場へ伝える企業も増えてきました。決まったことを連絡するだけの会議は不要でリアルタイム性も高まっています。
現場と経営層の間で情報の門番を演じることはもはやマネージャーの価値ではないのです。
対話(相談)こそがマネージャーの価値
報告や連絡などの情報をやり取りすことがこれまでのマネージャーの役割でした。しかしこれらは既にITツールで代用できるようになっています。残されたマネージャーの価値は相談です。
テレワークでは同じ時間、同じ場所で働く必要がない、ということです。在宅勤務が可能になり、育児・介護・家事などと並行して働いている人も増えています。メンバーの課題は単に仕事の進め方に留まらない可能性もあるのです。
その中で相談、つまり対話によって「何をすべきか」を一緒に作り上げていくこと。それによってメンバーが学び、成長するような育成がマネージャーの価値なのです。
テレワークで求められる新しいマネージャー(管理職)の役割
対話により自走する組織を作る
自ら時間を融通して成果を生み出そうとしているメンバーたち。そのような自律した組織を作るために対話を通じて育成する。そのためにマネージャーに求められること。それは一体何でしょうか?
傾聴・承認・質問で育成するコーチング型1on1
コーチングとは対話によって自ら考え行動を促すことです。自らの考えで実践し、経験することでメンバーの学びと成長を生み出します。そのために必要な対話が傾聴・承認・質問です。
コーチングには国際コーチ連盟(ICF)という組織があり国際的な資格制度があります。ICF認定資格や独自の資格制度を持った企業や団体も多くあり体系だった教育を受けることもできます。現役マネージャーでコーチングを学んでいる人もたくさんいます。
資格取得には時間やお金がかかりますがコーチングのエッセンスを理解することは書籍などでも可能です。傾聴・承認・質問を意識した1on1などを通じてメンバーひとりひとりの育成が可能です。
朝礼など一方的な連絡で全員の時間を拘束するのはITツールで代用できます。ひとりひとりに合わせた育成を1on1などの対話を通じて行うこと。これが自走する組織のためには重要です。
挑戦と失敗を恐れない心理的安全性の確保
テレワークでは特に心理的安全性の確保が重要と言われています。心理的安全性が確保されていない環境ではメンバーは以下のような不安を覚え発言を控えることが生まれます。
- こんな発言をしたら「分かってない無能なやつ」と思われないだろうか?
- 異なる意見を言うと嫌われるのではないだろうか?
このような環境では自由な提案が生まれません。発言を控えてしまう空気は優れた意見を生み出すチャンスを潰してしまいます。
またメンバーは会議の内容を正しく理解できていないまま進んでしまうかもしれません。質問を許さない空気のもとでは確認するための質問が控えられてしまうためです。
意見の多様性を高めることは、より良いアイディアを生み出す組織を作るということです。そのためには誰でも、どんな意見(異なる意見)でも発言できる。心理的安全性を確保することは良質な議論の土台なのです。
会議などはどうしても発言の多いメンバーの意見に誘導されがちです。マネージャーは少数のメンバーに発言が偏ることがないよう、意識的に心理的安全性が確保された会議を運営する必要があるのです。
テキスト化(言語化)による非同期でも仕事が進む環境つくり
テレワークの中で最も重要な文化の一つが言語化です。言語化とは頭の中でぼんやりと考えていることを文字で示すことです。言語化には次のようなメリットがあります。
- 曖昧な表現による理解齟齬が減る(全員が等しく理解できる)
- 経験の浅い読み手も自分のペースで読むことができる(全員が等しく理解できる)
- 非同期に自分の都合の良い時間で読むことができる(時間の制約をなくすことができる)
テレワークでは移動時間がないためスキマ時間なく会議が入るケースもあります。また在宅勤務では育児・介護・家事などの都合で変則的な勤務時間となる人もいます。そんな中で非同期に効率的に仕事を進めるためには言語化は欠かせません。
これは報告・連絡などの定型情報はテキスト(ITツールやチャットなど)でコミュニケーションすることになり、会議を減らすことにも繋がります。
言語化で重要なことは、報告・連絡などの「結果」だけでなく、議論の過程もチャットなどの文字で行うことです。文字で議論が残されていれば同時に参加できなかったメンバーも決定の経緯が分かります。
LINEで旅行の予定を決めようとしている姿を想像してみてください。いきなり旅行の日付と場所を連絡するのではなく、皆の都合や好みをやり取りしながら決定されるはずです。
マネージャーは文字と対話でメンバーを育てる
働き方が変化する中でマネージャーに求められるものは変わりつつあります。今回は主にマネージャーに求められるスキルや行動を書きました。色々書きましたがシンプルに言えば「文字と対話でメンバーを育てる」ことです。
ひとりひとりに興味を持ち、耳を傾けていく。それにより自ら考え学ぶメンバーを育てていく事ができるのだと思います。
テレワークに関してはこちらの記事も参照してみてください。